熱暴走リスク
130〜150℃溶融温度
現行のPE・PPセパレータは約130〜150℃で溶融。異常加熱時には正極・負極の接触による短絡・発火リスクが高まります。高温環境下では劣化が加速し、電池寿命も大幅に短縮します。
Separator Tech Japan Co., Ltd. — 2026
セパレータ素材をポリオレフィンからポリイミドへ刷新。耐熱温度400℃以上・寿命約2倍・高エネルギー密度を同時に達成する微多孔膜セパレータ「IOP」の商用化を目指します。
※ 耐熱温度はPE比。寿命は実用条件での想定値。サイクル寿命はIOPと耐高温電解液を組み合わせた予測値です。試験データは「評価データ」をご覧ください。
IOP(ポリイミド製微多孔膜セパレータ)で、リチウムイオン電池の課題解消を目指します。
安全性・長寿命・高容量を兼ね備えた電池への需要が急増する中、リチウムイオン電池の中核部品であるセパレータは35年間ポリオレフィン系素材のままです。当社はこの技術的空白を埋めます。
※ 耐熱温度はPE比。寿命は実用条件での想定値。/リチウムイオン電池市場規模:Grand View Research(2022)、USD 182.5B、1USD=150円換算。
セパレータの主要基材には35年以上、ポリエチレン(PE)・ポリプロピレン(PP)が使われてきました。耐熱性・イオン透過性の向上が、電池の安全性・寿命・出力をさらに高める鍵となります。
現行のPE・PPセパレータは約130〜150℃で溶融。異常加熱時には正極・負極の接触による短絡・発火リスクが高まります。高温環境下では劣化が加速し、電池寿命も大幅に短縮します。
ポリオレフィン系の製法では空孔率を高めにくく、イオンの通り道を大きく増やすことが困難です。イオン透過性が、充電速度・出力の向上を制約する要因の一つとなっています。
高温・高負荷の使用条件では電池劣化が進みやすく、用途によっては交換頻度が高まります。交換に伴う費用が運用コストを押し上げるため、電池の長寿命化が求められています。
高温・低温環境ではセル性能が低下しやすく、安定動作には使用環境に応じた材料設計が必要です。セパレータと電解液の組み合わせが、対応できる温度域や性能を左右します。
セパレータ価格は当初の約200円/㎡から約40円/㎡まで下落。価格競争が進むなか、既存メーカーはコスト削減を優先し、新素材の開発・量産に向けた大型投資を判断しにくい状況となりました。
電池メーカーの開発投資は正極・負極・電解液に重点が置かれ、セパレータは「コスト優先」で調達されてきました。そのため、素材刷新による性能向上は開発課題として優先されにくい状況にありました。
耐熱性に優れるポリイミドを電池用セパレータに用いるには、高空孔率の微多孔膜を安定して製造する技術が必要です。性能を維持しながら量産性を確保することが、実用化に向けた課題となっていました。
IOP(ポリイミド製微多孔膜セパレータ)は、高耐熱・高空孔率という素材特性によって、リチウムイオン電池の4つの課題の改善を目指します。
ポリイミドの耐熱性で解決既存PE/PPセパレータは約130〜150℃で溶融する一方、ポリイミドは400℃以上でも形状を維持。特定条件の釘刺し試験で発火せず、溶融による短絡リスクを低減します。
高透過構造で解決膜厚は従来のセパレータと同等ながら抵抗が低く、より多くの電極材を電池に投入可能。空孔率55〜70%でイオンの通りやすさが1.5倍に向上し、同じ電池サイズで容量と出力の両方を引き上げます。
劣化しにくい素材で解決60℃という高温下で3,000サイクルの寿命を予測。高い空孔率と均一な空孔形成により高温でも劣化が遅く、電池交換頻度の削減と運用コストの低減に直結します。(※IOPと耐高温電解液との組み合わせ)
電解液の選択肢拡大で解決ポリイミドは耐高温電解液・イオン液体にも高い濡れ性を示します。−15℃〜85℃の広温度域で安定動作し、100℃環境での動作も確認。高温地域から寒冷地まで、各使用環境に適した電解液を選択できます。
※ 性能比較値はいずれもPE比・自社試験データ。
IOPの実測値・予測値を、既存材料の一般値と比較しました。
| 比較軸 | IOP(当社) | PE | PP | セラミックコートPP |
|---|---|---|---|---|
| 耐熱温度 | 400℃以上 | 約130℃ | 約135℃ | 150〜180℃ |
| 空孔率 | 55〜70% | 40〜50% | 40〜50% | 40〜50% |
| 膜厚 | 7〜20μm(用途に応じて調整可) | 8μm〜 | 8μm〜 | 12μm〜 |
| イオン透過性 | 1.5倍 | 標準 | 標準 | やや低下 |
| サイクル寿命 | 3,000回(60℃・寿命予測)※ | 1,500〜2,000回(常温) | 1,500〜2,000回(常温) | 若干改善 |
| 電解液選択肢 | 高粘度難燃性電解液も使用可 | 限定的 | 限定的 | 限定的 |
| 安全性(釘刺し) | 発火なし※ | 発火リスク | 発火リスク | 中程度 |
※ IOPの値は自社試験データ。PE・PP・セラミックコートPPは公開情報に基づく一般値。
※ サイクル寿命は比較条件が異なります(PE・PPは常温、IOPは60℃高温環境での予測値)。
※ 釘刺し試験の結果は試験条件によります。
全固体電池を待たずに、求められる性能を満たすリチウムイオン電池を実用化できます。
| 比較軸 | 全固体電池 | IOPリチウムイオン電池 |
|---|---|---|
| 量産体制 | △ 本格量産体制とサプライチェーンは構築途上の段階 | ○ 既存のポリイミドフィルム製造ラインで生産可能(要400℃熱処理ライン) |
| サイクル寿命 | ✗ 寿命は向上したが、大型セルの界面劣化が課題 | ○ IOP+耐高温電解液で60℃・3,000サイクルの長寿命化を予測 |
| コスト | ✗ 材料費と新工程の量産コスト低減が課題 | ○ 既存製造ラインを活用でき、全固体より低コストで量産可能 |
| 実用化時期 | △ 本格普及は2030年以降との見方が一般的 | ○ 2029年初期生産開始へ。全固体の前に市場実績を確保 |
| 安全性・温度 | ○ 優れた耐高温性。高度な安全対策と温度管理は必須 | ○ 400℃以上の耐熱性。−15℃と100℃で放電を確認※ |
| 開発速度 | ✗ セル・製造工程を新規に構築する必要 | ○ 既存セル設計・製造工程を活用し、開発期間の短縮を目指す |
※ 全固体電池の記述は各社発表および公開されている技術動向に基づきます(2026年8月時点)。
※ −15℃は通常電解液、100℃は耐高温電解液との組み合わせによるセル試験です。
実測結果と、それに基づく寿命予測を条件別に検証しています。評価は現在も継続中です。
IOP+耐高温電解液の組み合わせにより、60℃環境での長寿命を予測。既存LIBは約350サイクルで容量が50%を下回ります。
3,000 サイクルでも容量50%維持を予測IOP+耐高温電解液では、100℃環境下でも電池としての機能を確認。現行セパレータ(PP)では放電できません。
100℃ 環境でも放電性能を確認セパレータ変更のみ(電解液は通常仕様)。−15℃環境下でも、既存セパレータと比較して大幅に高い放電容量を実証しました。評価は継続中です。
−15℃ でも放電容量を維持現行(PP)セパレータが15サイクル程度で急速に劣化する条件で、200サイクルで容量維持率95%を確認(0.1C)。高エネルギー密度用途への展開の可能性を評価しています。
95% 容量維持率・200サイクル※ 実験グラフ出典:東京都立大学(2025年電池討論会発表資料)。記載値は特定の試験条件下での結果または予測であり、すべての使用環境での性能を保証するものではありません。
非公開ノウハウと特許出願を起点に、知財ポートフォリオを段階的に拡張します。
※ 基盤製法特許は東京都立大学が出願し、当社が実施権の付与を受ける方向で協議中です。特許内容の詳細については現時点では非公開です。
電力消費はCAGR約15%で拡大し、日本一国の電力需要を上回る規模に達する見込みです。AI需要の増加に伴い、バックアップ電源には安全性と長寿命の電池が求められます。
再エネ比率40〜50%(2040年度・政府目標)に向け、需給ギャップを埋める系統用蓄電池の需要が大きく拡大。頻繁な充放電に耐える長寿命・高出力・高い安全性が求められます。
主要国でEVシフトが進み、自動車の電動化が加速。市場拡大とともに、急速充電に耐える安全性と、高温下でも劣化しにくい寿命の両立が求められます。
物流・防衛・点検用途でドローン市場が拡大。航続距離と安全性を左右する、高エネルギー密度・高出力の電池が求められます。
※ UAV:ドローン等の無人航空機/UAM:eVTOL等による都市型航空交通
出典:IEA, Energy and AI(2025)/資源エネルギー庁 第7次エネルギー基本計画(2025)/Grand View Research(2026)/MarketsandMarkets(2025–2026)/SNE Research
| セグメント | 参入期 | 用途別の要求性能 | 市場選定の理由 |
|---|---|---|---|
| ドローン(大型・産業用等) | 先行 | 高出力時の耐熱性/電流放電安定性/軽量化 | 電池性能が製品価値に直結する市場 |
| 電動工具 | 先行 | 瞬間大電流/急速充電耐久/長寿命化 | バッテリー交換需要が継続的に発生 |
| 農業機械 | 先行 | 屋外高温環境の耐久性/長時間連続稼働/振動耐性 | 電動化の初期段階、国の補助制度あり |
| ESS(産業・グリッド) | 次期 | 熱収縮による短絡リスク低減/高温耐久性/長寿命 | 再エネ拡大で最も成長が速い市場 |
| データセンター | 次期 | 満充電待機での劣化抑制/大電流放電対応/安全性 | 無停止が前提、信頼性を最優先する市場 |
| EV(高負荷用途) | 将来 | 急速充電安全性/高温保管劣化の抑制/内部短絡防止 | セパレータ需要を牽引する最大用途 |
※ 要求性能は用途仮説であり、IOPによる改善効果は未検証です。
※ セパレータ市場:Stratview Research(2024–2030)/円換算:1USD=159.01円(2026年8月26日時点)/電動農機の補助制度:環境省・農林水産省
繰り返し使う電池の性能差を、稼働率と交換費で評価し、初期採用につなげます。
① 温度条件が飛行・連続充電を制約
② 高出力飛行と急速充電を繰り返す
③ 劣化・交換が運用コストを押し上げる
※ ドローン各社の主要機種の公式仕様書・SEC開示資料の記載に基づきます。
① 高耐熱性と温度環境への対応
特性:400℃でも形状を維持/−15℃〜100℃で放電を確認
② 急速充電・高負荷飛行への対応
特性:空孔率55〜70%・イオン透過性1.5倍
③ 電池交換費と運用コストの低減
特性:60℃環境で3,000サイクルの寿命を予測
※ IOPの実証実験による自社の検証結果であり、ドローンでの実績ではありません。
電池メーカー・ドローンメーカーと共同で評価し、セル性能を稼働率・運用コストに換算します。
→ 性能差と経済効果を確認し、採用・量産を判断
先行3分野は自社で初期供給し、量産市場は技術移転・ライセンスで展開します。
→ 当社へ:特許の実施許諾(協議中)
→ 量産パートナーへ:製法の技術移転・ライセンス
→ 顧客へ:量産品の供給
IOPをセルに組み込み、各用途へ供給
社内に3つの技術資産を蓄積し、大規模量産は外部設備を活用します。
実施権(協議中)・当社知財/評価データ・判定基準/製造ノウハウ
量産パートナーの設備
量産化は3段階で進めます。①自社試作研究所での枚葉サンプル作製と製造ノウハウの確定、②サンプルワークの開始、③パートナー企業での量産化。①②は自社を中心とする技術体制で担い、③以降は量産パートナーを技術面で支援します。
エクイティ5億円で事業の基盤を構築し、NEDO補助金で用途拡大と量産移行を加速します。
資金使途
※ 制度要件は公募回により変更される可能性があります。制度条件はNEDO第10回公募資料(2026年7月版)を参照。
自社製造・評価・顧客供給の基盤を整え、初期販売とOEM量産移行につなげます。
| 投資領域 | 具体的な資金使途 | 投資によって実現する成果 |
|---|---|---|
| 自社製造・評価基盤 3億円(60%) | 試作・セル評価設備の導入 枚葉塗工設備、セル作製・評価装置、ドライルーム等を整備 | 自社設備で作ったサンプル・検証データを顧客に提供。仕様調整・試作・セル評価を自社で反復し、顧客との共同評価を開始 |
| 研究開発・知財 1億円(20%) | 用途別研究開発・知財形成 性能評価、製造条件の確立、周辺特許の出願 | 採用判断に必要な性能根拠と知財を形成。用途別データを蓄積し、技術の優位性を明確化して周辺特許を出願 |
| 技術人材・事業運営 1億円(20%) | 中核人材の採用・事業運営 技術・知財・事業開発人材の採用と運転資金 | 量産移行を担う中核チームを構築。製造条件を形式知化し、量産に向けたパートナーへの技術移転を推進 |
※ 金額・内訳は計画値です。設備仕様・導入規模は見積取得後に確定します。
段階調達と投資家保護を両立する資本設計案です。
| 株主・区分 | 株式の種類 | 株式数 | 投資額 | 持分比率 |
|---|---|---|---|---|
| 創業者・経営陣 | 普通株式 | 1,000,000株 | ― | 66.8% |
| 外部投資家(J-KISS転換分) | A種優先株式 | 200,000株 | 2.5億円 | 13.4% |
| 外部投資家(Series A新規) | A種優先株式 | 200,000株 | 2.5億円 | 13.4% |
| SO(ストックオプション) | 新株予約権 | 96,000株 | ― | 6.4% |
| 合計 | ― | 1,496,000株 | 5億円 | 100.0% |
※ 株式数・持分比率は全希薄化後ベース。1株当たり発行価額1,250円(増資前評価額12.5億円÷既存株式1,000,000株)。
※ Post-Money 17.5億円はSOプールを除く。SO込み参考時価総額は18.7億円。
創業者が全希薄化後も66.8%を保持し、中長期的な研究開発・事業化における迅速な意思決定を担保します。
将来のCxO候補・トップエンジニア向けに、SOプール6.4%を事前に確保します。
残余財産分配・希薄化防止等の条件を投資家と協議し、権利設計によって投資家保護と成長投資を両立します。
IOP性能の実証によって企業価値向上の根拠を構築し、GI基金等の次段階助成金の獲得にも取り組みます。
※ 時期・金額は計画値であり、条件確定後に更新します。※ MS:マイルストーン ※ GI基金:グリーンイノベーション基金
民間出資で事業基盤を構築し、DTSU申請要件の充足を目指します。
前提:ESS総電力量 1MWh/使用期間 30年/通常セル寿命 15年/IOP使用セル寿命 30年
| 項目 | 通常LIB | IOP使用LIB |
|---|---|---|
| 初期導入費用 | 4,500万円 | 4,554万円 |
| 電池交換回数(30年間) | 1回 | 0回(交換不要) |
| 15年後交換費用 | 2,490万円(電池+PCS) | 615万円(PCSのみ) |
| 30年間 TCO | 6,990万円 | 5,169万円 |
※ IOPセパレータ使用時はセル寿命30年のためバッテリー交換不要(PCS交換のみ)。
※ IOPセパレータのコスト増分(54万円)は初期導入費用に反映済み(社内試算)。
※ IOPのセル寿命は保守的に通常比2倍(30年)として試算。
用途ごとに、セル評価 → パック評価 → 実機評価の順で1〜4年程度の評価を想定しています。
| 用途 | セル評価 | パック評価 | 実機評価 |
|---|---|---|---|
| ドローン 最初のターゲット | 高C連続放電 | 高Cサイクル | 実機搭載 |
| 電動工具 最初のターゲット | 大電流放電 | 落下、振動 | 急速充電耐久 |
| データセンター | 短期間高出力特性、高SOC寿命 | キャビネット安全性 | パイロット評価 |
| ESS(グリッド) | 初期特性、過充電・短絡挙動 | 伝播試験(延焼性)、排気・検知・抑制設計 | 実運用SOCでの劣化状況把握、異常検知ロジックの見直し |
| EV(高負荷) | 初期特性、簡易安全性 | 急速充電耐久性・高温保存特性、低温出力特性・安全性試験 | 車両相当耐久性・BMS制御再設定、高SOC高温保存劣化特性 |
※ ドローン・電動工具は短期評価を想定。期間は社内想定であり、顧客・用途・規格により変動します。農業機械は顧客要求の確認後に評価工程・期間を設定します。
※ 各用途でセル基本設計・量産品確認を経て、順次量産へ移行します。期間は社内想定であり、顧客・用途・規格により変動します。農業機械は顧客要求の確認後に評価工程・期間を設定します。
| 商号 | セパレーターテックジャパン株式会社 |
|---|---|
| 英文名 | Separator Tech Japan Co., Ltd. |
| 所在地 | 〒105-0004 東京都港区新橋五丁目8番3号 代市ビル2階 |
| 代表取締役 | 谷口 雅之 |
| 設立 | 2026年8月18日 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 事業内容 | リチウムイオン電池用セパレータ及び関連部材の研究・開発・製造・販売 分離膜・機能性シート等の膜材料の研究・開発・製造・販売 高分子・無機・複合材料の研究・開発・製造 試験、分析、評価、検査及び品質管理業務の受託並びにコンサルティング |
1991年より独立系FPとして実践的なコンサルティングを多数手掛け、投資信託運用会社の社長として日本初となる不動産ファンドのREITを設立。現在、三倉屋商事(株)などの代表取締役として、海外投資家向けインバウンド仲介やトランクルーム運営を展開。IT事業では「eトランク」「バイク庫」「日本養成カレッジ」等の多様なポータルサイトを運営。香港、スリランカ、ミャンマー等での海外ビジネス経験も豊富。当社にて代表取締役として財務・資金調達・事業化の実務を統括。
京都大学大学院工学研究科工業化学専攻博士後期課程中途退学。博士(工学・京都大学)。京都大学工学部准教授、東京都立大学准教授を経て、2002年4月東京都立大学大学院工学研究科応用化学専攻教授に就任。IOPセパレータの開発者。大学客員教授、NEDOの審査委員などを歴任。2021年4月、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)フェローに就任。2023年10月、革新的GX技術創出事業(GteX)統合チームリーダーに就任。